'teenei, Kyoto'

 セレクトショップ teenei & co. さんは、京都市の中京区エリアにあります。中京区といえば、修学旅行生や国内外の観光客でにぎわう新京極や寺町通り、河原町通り、烏丸通りなどの大通りが有名ですが、そんな大通りから細い辻々を一つ二つと分け入ると、昔ながらの町屋の面影を宿した通りの中に、長~い歴史を持つ喫茶店からオープンしたての通好みなショップまでがあちらこちらに息をひそめて待ち構えていて、今日はこっち、今度はあっち、と訪れるたびにいろんな楽しみ方のできるエリアです。

 そんなエリアの只中にある teenei さん。一歩足を踏み入れたとたん、何気なくディスプレイされている古着やアクセサリーから、ただならぬこだわりをびしびし感じます。また奥にはカフェコーナーもあって、居心地のいいソファに腰掛け、ソフトドリンクからハードリカー、フードも楽しむことができます。

 と、どこをとってもステキなこちらのお店なのですが、われわれ匂いにこだわる部族として、ぜひぜひ紹介しておきたいのが、モロッコからオーナーさん自ら調達されてきたハイクオリティな精油を取り扱っておられるということ、そしてカフェコーナーでは、匂い系アイテムに敏感なニオイ族の永遠の憧れ、何とあの「水タバコ」が楽しめてしまうこと!うひゃー!

 まずモロッコ産の精油について、試させていただいたのはレアバリュー(生産量が少ないため希少価値の高い)オイルの代表格であるローズとガーデニア、そしてグレープフルーツのオイルでした。これらのオイルが日本で通常に入手できる一般的なメーカー産のものに比べ、どれほどピュアでパワフル(で、とっても割安!)であるかは、鼻に覚え(?)のある方なら、ボトルのフタを開けたとたんにわかるはず。

 とりあえず、ローズの高品質なレアバリューオイルがちゃぷんちゃぷんと音を立てるほどの、しかもスポイト付きで扱いやすいボトルに入っているだけでももう十分に感動的なのですが... 実はそれとともに(これは内緒にしておきたかったのですが、でも我慢ができなくて書いてしまいます)、こちらで扱っておられるモロッコ産のグレープフルーツ精油。正直、最近の日本で入手できるグレープフルーツ Citrus x paradisi の精油はかなりポピュラーなもののひとつとなり、メーカーさんの中にはピンクグレープフルーツとかホワイトグレープフルーツとか頑張って差別化をはかっておられるところもありますけれども、もはやレアバリューとはいえない状態(もちろん、安定的かつ安価に入手できるのはありがたいことですが)。

 ところが!teenei さんちのグレープフルーツ精油は全然ちがーう!もちろん、あの Citrus x paradisi の溌剌とした香りはそのまま、そしてそこにあのネロリ Citrus aurantum, fleur を思わせるビターな翳がひっそりと、しかも絶妙なほのかさをもって寄り添っているという、少なくとも私がこれまで試してきた中では最も高貴な気品を湛えた逸品だったのでした。香水の調香やアロマテラピーに関心がちょっとでもある方なら、これはもう、嗅ぐべし!

 そして、あの憧れの「水タバコ」体験ですよ。 どうにも日本語での名前が「水『タバコ』」なものですから、それだけ聞くとつい誤解されやすいのですが、香料の抽出や利用を含む科学技術では世界で最も長く洗練された歴史を有してきたと言ってよいあのアラブ世界において、かぐわしきスパイスやフルーツはもちろん、可食部ではないけれどもすばらしい香りを有する果皮などの香りまでもをペースト状にすることで香源とし、さらに日本の香道とは異なり熱源が香り成分の上方に置かれ、そして「水」という純粋にして最高のフィルターを通することによって、誰もが手軽に楽しめるように工夫された、実にすばらしいアイテムなんですねえ。感動しました!

 あの後いろいろ考えたのですが、特に香源に対する熱源の位置について、ご存じのとおり日本でポピュラーな香道では熱源である炭を香の下に置くのが一般的です。しかしそうであるがゆえに、香炉を使う際には香を加熱しすぎないよう炭と香の位置関係や灰の案配に常に配慮せねばなりません。この点を、あえて極度に簡略化し「香り成分の安定的揮発を、誰でも確実に、しかも手軽に楽しめる技術」としてのみ見るなら、熱源を下に敷く香道式よりも、熱源を上に(より正確には、香り成分をペースト状にした部分の上に穴あきアルミ箔のような仕切りを置き、その上に)載せ香り成分の揮発を促す水タバコ方式のほうが、煩瑣な作業を省いて香りを楽しむことに集中できるという点で、やっぱり優れて高度な洗練を経た技術と言っていいんじゃないかなあ、と感服せざるを得ないのでした。

 私たちの人生にはすでに、その終わりを告げるカウントダウンタイマーが取り付けられてしまっていて、誰もそれをはずすことができません。なのに、このかぐわしき人類の知恵を自ら試すことなく、その日を待つだなんて。無理。絶対無理。だってそんな、人類の偉大なる歴史に対する侮蔑にも似た不作為ですよ。ありえない。実にありえない!

 ...なーんて、つい興奮して書き立ててしまいたくなるほど、すてきな体験でした。ありがとうございました!やっぱり百聞は一嗅に、あるいは一吸に如かず、ですなあ。今しばらく京都を離れる日々が続く私としては、京都にお住まいでしばしば足を運べる方が、実にうらやましうございます。京都にお住まいの方はもちろん、ご旅行の予定のある方はぜひ、お立ち寄りになってください。あのイノダコーヒーの本店も、すぐ近くにありますよ。私もできれば、プロダクトの新ロットができあがるたびにそれを口実として(笑)またうかがいたく存じますので、どうぞよろしくお願いします。

 As is in Mar. 2009, you can try our products only at teenei & co. in Kyoto, Japan. Now the chance is yours to visit Kyoto for enjoying its beauty in exquisite sophistication with a millennium of history, and to try our collection at teenei located in the midst of the old city, the heart of Kyoto.

 2009年3月現在、ザ・トライブ・オブ・オルファクションが製造したアイテムは、京都市中京区にあるセレクトショップ teenei & co. さんの店頭に置かせていただいております。京都にお住まいの方は勿論、旅や仕事で京都に寄られる皆様も、ぜひお訪ねになってみてください。お店の位置や営業時間に関する情報と、こちらのお店ならではのステキげな雰囲気を伝える写真やブログ記事の数々は、お店のウェブサイトで垣間見ることができます。どうぞ こちら、あるいはこのブログの画面右上にあるリンクバナーをクリックしてご覧ください。